MENU

書評ーたいへんよくできましたー伊坂幸太郎著「ゴールデンスランバー」

 ある日突然首相殺害の犯人に仕立て上げられた一人の男。彼に冤罪を帰せるため張り巡らされた何重もの罠、そして、それに立ち向かう仲間たち。そんな逃亡劇をビートルズの名曲を織り交ぜながら展開するのがこの作品である。

 個人的には、今まで何人もの人を傷つけた通り魔が主人公の味方になって現れるのだが、その通り魔の最後、彼がどのようにして亡くなったのか、また、なぜそんな行動をとったのかに注目してほしい。

 中盤までの伏線が終盤のエンディングにつながるのは見事というほかない。ぜひ、この本を読んで、切ない感動を味わってほしい。

  「青柳、おまえはロックだよ。」

 -出典:伊坂幸太郎著「ゴールデンスランバー」,新潮文庫,669