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書評ー太田 愛著「犯罪者」

仕事で犯すミスの中には、途中でミスに気付く場合もあれば、全く気付かず、後日思わぬ方向から後ろ矢で射られる場合もある。そして、後々まで尾を引くのは後者の方だったりするので、これまた厄介だ。では、そのミスがどうあっても取り返しのつかないものだとしたら。そんなifを現実にしたのが、この小説だ。とある会社員が仕事で保育園に配ったとあるサンプル。それが子どもたちに引き起こす途方もない災禍と相次ぐ事件。小説家の名前でピンと来た人はさすがだ。相棒の脚本も担当していた著者の社会派スペクタルを存分に堪能できる。というわけでGWで余暇が存分にある人にはうってつけの名著だろう。