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少しずつ正常化される?JW

 おそらくJWほど各家庭で家庭内ルールが異なる宗教も珍しいだろう。なんせ、とある家庭では禁止のTV番組がある家庭ではOKだったりするのだから。

 しかし、今回、二世問題でクローズアップされたのはそんな微細な問題ではなく、命にかかわる輸血の問題であった。なんせ国の厚生労働大臣が輸血拒否が医療ネグレクトにあたると表明したのだから。(ちなみにネグレクトは虐待の一種なので、要するに輸血拒否を強いることは子どもを虐待していることになる。)

 本題に入る前に、大前提としてだが、そもそもエホバの証人として洗礼を受けていない人が、また、バプテスマは受けていない伝道者という資格もない人が輸血をした所で組織から何らかのペナルティが課せられることはない。要するに、JW家庭で育っても=輸血ができないということではないというわけだ。(そもそもあれだけ輸血の害などを教えられておいて輸血をしようという気になるかは疑問だが。)

 それなのにどうして今回2世問題で特に輸血のことがクローズアップされたのかというと、ほとんどのJW家庭では輸血禁止という風に教えているからだと思われる。実際、私も含めてそういう風に教えられて育った二世がほとんどだろう。もし、このブログを読んでいる読者の中で、「いや、私の家庭は強制はされなかったよ。バプテスマ受けてなかったら別にいいよ」と言われて育った二世がいたら教えてほしいぐらいだ。おそらく、子どものことを真剣に考えて言っているか何も考えていないかのどちらかだろう。

 さて、ここからは脇道。バプテスマも受けていない、伝道者にもなっていない子どもが輸血拒否を表明する場合、医療機関はどう対応するのが正解だろうか。そして、仮に子どもの意に反して輸血をするという選択をして、その親(当然JWだが)が子どもの意に反して輸血をしたということで医療機関を訴えた場合、勝てる可能性はどのぐらいあるだろうか。そして、その裁判において今回の厚生労働省の見解は影響を与えるだろうか。

 私が心配しているのは、一連の二世問題をめぐる騒動で結果的にJW家庭の患者を受け入れる病院が減少するのではという点だ。杞憂でなければよいが。

 さて、これまでJW家庭の子どもは、柔道・剣道ができない、クリスマスはじめ異教の学校行事には参加しないというのがある意味スタンダードであった。しかし、もし、それらですら子どもへの虐待になるとされたら・・・

 JW家庭でもバプテスマも受けてなくて伝道者にもなってなければ特に制限がなく学校生活を謳歌する、そんな時代は遠くて近いかもしれない。