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世界の指導者が認知症になってるかもしれない中で読んだ本〜伊藤潤著:修羅の都

 ウクライナ情勢が混沌を極めていて、あちこちからロシアの指導者の様子おかしいという話が漏れ伝わっている。疑り深い私は、そういう報道が出る理由を考えてしまうのだが、それぐらい今回のロシアの行動がこれまでの軍事行動と一線を画していることは間違いないだろう。中には、ロシアの指導者認知症説を唱えている人もいるが、その真偽はさておき、実際に指導者が認知症になったらどうなるのかを如実に表したのが、表題の伊藤潤著の修羅の都だ。

 現在大河ドラマでもスポットライトが当たっている鎌倉幕府が舞台で、鎌倉幕府を始めた源頼朝の生涯が描かれている。注目したのは、認知症の初期症状とも言える猜疑心の強くなる様子や物事が判断できずに悪意を持った連中に利用される様が源頼朝を通して克明に描かれている点だ。もし、しっかりと物事を判断できない人に全権が与えられていたらという想像したくもない状況に現在が置かれているかもしれないことを考えると、非常に身に迫るものがある。一般の会社に定年制があるのだから政治の世界にそれを設けるのは今後必然になって来るかもしれない。鎌倉幕府のように世代交代に失敗しないためにはどうしたらいいか、様々な示唆を与えてくれている。