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成員の霊的健康を把握するのに苦慮する長老たち

 最近、関西圏の方だが、大学生の自殺のニュースをみかけた。特に目をひいたのは、詳細は述べられていなかったが、コロナによるオンライン授業などで人との交流が減ってしまってストレスを抱えていたのではという点が指摘されていた。もちろん、死人に口なしなので本当の理由は当人にしかわからないわけだが、コロナ禍が人を孤立させ、自殺の遠因になりうる可能性は大いにあるだろう。

 前置きはこれぐらいにして、エホバの証人の世界でも集会がzoomになっていて、人によっては常に画面オフで参加し、時間ギリギリに入室して即退出という方もいるので、一人一人がどんな状況なのかが通常の集会があったころよりわかりにくい。前述した大学生のように誰にも悩みをいえず孤立しているケースもあり得るわけだ。

 さて、会衆の成員の霊的健康(この表現がわかりにくいなら神への信仰の強さ・質と読み替えてもよい)を気遣っている長老たち(エホバの証人は地域ごとにグループがあり、その各グループの監督のこと)にとって、その成員の表情もわからない、会話もできないとなると、会衆の状況を把握することが大変困難になる。そんなこともあって、これはコロナ前からある制度だが、牧羊訪問といって、時間をとって近況だったり、悩んだりしていることを長老たちと話し合う機会がある。もちろん、それに応じてくれる人であればよいのだが、理由をつけてその時間を取ってくれない人もいる。知らぬ間に集会への参加が不定期になって、不活発になっていたというケースもあるだろう。コロナによって不本意に孤立している人がいるとするならばとても悲しい。