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新型コロナウイルスの治療薬とJW~血液製剤を用いる可能性~

 一般の人のJWのイメージは、JW=輸血ができないということを最初に連想する人がほとんどだと思う。日本で昔に起きた大ちゃん事件はじめ、時折ニュースになっている。

 禁止事項の輸血について、是々非々の批判は様々あるが、現役の医師の中でも、エホバの証人が輸血禁止を貫いたことが無輸血治療の進歩に一役買っていることを評価している人は少なくなく、その点については、もっと評価されてもよいのではと思う。(気になる方は、「天野医師 エホバの証人」で検索してみてください)

 ここからが本題で、もちろん新型コロナウイルスで輸血をする可能性は限りなく低いと思われるが、治療やワクチンで血液製剤を使う可能性はあるかもしれない。(実際、武田製薬は新型コロナの治療薬になりうる血漿分画製剤の治験を始めている)

 分画と聞いてもピンとこないかもしれないが、血液の主要な4つの成分、①赤血球、②白血球、③血小板、④血漿をさらに細かく分けて抽出したものを分画という。

 一例をあげると、川崎病になると治療でガンマグロブリンを使うが、このガンマグロブリン血漿の成分の一つである。

 さて、エホバの証人は①から④そのものを輸血することはNGだが、分画については、グレーである。(判断は個人にゆだねられているので、個々によって決定は違ってくる。)そんなこともあってか、最近は集会の中でも、継続的委任状(輸血、分画についてどうするかを書く用紙)の内容について振り返っておくことが励まされている。

 備えあれば患いなしだが、備えが活用される日がないことを願いたい。