MENU

子どもは増えても不幸な女性が増えそうな一夫多妻制~少子化問題の解決策にはなりえず~

 貧富の格差がかつてないほど広がり、中には少子化問題の解決策として一夫多妻制を提唱する人もいる。ぜひ、その人たちは、「もし自分の娘や孫がその立場に置かれたらどう感じるだろうか」とリアルに考えてほしい。決して諸手を挙げて賛成はしないだろう。

 ちなみに聖書の中では、一夫多妻の代表的な例としてヤコブ(今でいうイスラエル人の祖先にあたる人)が挙げられるが、昼ドラも真っ青な女の戦いを繰り広げたことが書かれていて、様々な問題が生じたことがわかる。

 確かに、一夫多妻制の場合、女性同士のライバル関係が生じるため、対抗心からより多くの子どもを産もうするかもしれないので、結果的に子どもの数は増えるかもしれないが、そのような家庭環境が当事者である女性にとって、また、生まれた子供にとって幸せとは考え難い。もちろん、どんな形であれ跡取りが欲しいという場合には有効なのかもしれないが。

 参考になるかはわからないが、この日本では、一夫一妻制になったのはここ100年ほどの話で、歴史としては、一夫多妻制の方がはるかに長かったりもする。もちろん、これだけ男女平等、女性の社会進出が叫ばれているので、一夫多妻制に戻る可能性は万に一つもなく、むしろ、可能性としては、多夫多妻制に変わる可能性の方がまだあり得るかもしれない。

 現在、女性の平均初婚年齢は29歳を超え、少子化問題はとどまるところをしらない。女性の体の仕組みは変わっていないのに、結婚する年齢だけが上がり続けているのだから当然といえば当然だ。

 少子化問題の出口のない戦いは続く。