MENU

なみはやリハビリテーション病院の対応は果たして異常なのか。

 院内感染が広がったなみはやリハビリテーション病院が陽性後も職員を働かせていたことで非難の声が広がっている。

 もちろん、代替職員が確保できれば一番ベストだったのだろうが、代替職員がみつからずやむを得なずそうしてしまったとのことだ。

 医療機関の場合、職員は自宅待機になるが、感染の恐れがある入院患者さんを他の病院に移すのは難しいので、仕事の量は変わらないどころか感染対策にも時間をとられ、かえって増加することが予想される。大病院であれば、他の余裕のある病棟から応援を呼ぶこともできるかもしれないが、人員に余裕がない小規模~中規模の病院だと途端に人のやりくりがつかなくなる。
 ただ、なみはやリハビリテーション病院の場合は、グループ病院もあるので、そちらから応援を要請するという選択もあるが、グループ病院とはいえ、全く違う病院でいきなりケアを行うというのは、インシデント・アクシデントの要因にはなりえる。それでも、陽性の看護師を働かせるよりはマシかもしれないが。

 現実的な選択として考えられるのは、師長や主任などが普段夜勤に入らない病棟であれば、いわゆる感染が確認されていない管理職クラスの人がその時だけ夜勤をするという選択もある。公休の変更や緊急でない会議のキャンセルなど調整はいずれにしても必要になるが。

 今回は、現在わかっている限りなみはやリハビリテーション病院が初めての例ということで大きく報道されている。

 ただ、非難ばかりしていても何も始まらない。

 医療機関の多くがギリギリの人員でやりくりされていることを踏まえて、仮にクラスターが発生して代わりの人員がいない場合に、病院の長は誰に要請をしたらいいのか、また、どのようにして調整をするのかを世論全体で考えるべきではなかろうか。