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ジェンダーフリーとエホバの証人~女性が演壇から話す日は来るのか~

 世界的に男女平等、女性の活躍が促されるなか変わらない組織もある。その一つがエホバの証人だ。

 エホバの証人の世界では、女性にはできないことがいくつかある。

 ①長老など監督の立場につくこと

 エホバの証人の中でもその地域のエホバの証人を取りまとめる立場の人がいて長老や巡回監督あるいは地域監督と呼ばれている。一般的に管理職と呼ばれる立場の人と言えばわかりやすいだろうか。

 原則として以上のような立場につくことは男性にしか許されていない。

 ②演壇から話をする。

 エホバの証人の集会では演壇から話をしたり、ご自宅を訪問する場面を実演の形で扱ったりすることがある。これらは全てその地域のエホバの証人によって行われる。このうち演壇からの講話ができるのは男性だけだ。

 もちろん、女性も奉仕の場面の実演や聖書の討議に参加することはできるが、講話は行うことができない。

 主だった点は以上だが、これらは現時点では今後も変わることはないと思われる。

 その理由について説明する前に、そもそもなぜこういう制限があるのかについて説明したい。念頭に置きたいのは次の3点だ。

 ①エホバの証人は聖書原理主義者といわれるぐらい聖書に従っている

 ②女性が演壇から話をしないことの根拠となっている聖句は、コリント第一11章3節の「女性の頭は男性である」という文章に基づいている

 ③同様に女性が監督職につかないことについても、テモテ第一3章2節の「監督は・・一人の妻の夫で」という文章に基づいていて、監督の立場につけるのは男性だけであることが明示されている

 ①については、言うまでもないだろう。エホバの証人は反対者から「聖書原理主義者」と皮肉を言われるぐらい、組織の取り決め、教えは聖書に基づいている。女性が演壇から講話をしなかったり、監督職につかないことについても気まぐれや女性蔑視からしているのではなく、その根拠は聖書に基づいている。

 そのため聖書そのものが変わらない限りこれらの取り決めが変化することはないと予想される。

 今後も世の中では、男女平等、女性の活躍はますます進んでいくだろう。管理職に女性がなることがごく普通の時代になることも遠くないと思われる。エホバの証人の組織との対比は広がるばかりだ。それが幸か不幸かはわからないが。