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勇気ある告発~モーセの例から学べること~

 昨今のマスメディアの報道を見ていると、ひと昔前までは握りつぶされていたようなパワハラやセクハラがどんどん表沙汰になっている気がする。ある芸能人が今のテレビ界の状況を、ギプスをつけてテレビにつけているようと表現していたが、さもありなんという感じだ。テレビ業界は間違いなくクリーンになりつつあるのだろうが、その分制限はどんどん多くなっている気がする。

 この点で間違いなくブレイクスルーとなったのは、SNSの発展だろう。世界中誰もが一つのメディア持つことができるようになり、いわゆる問題が起きても泣き寝入りという状況は確実に減っていると思われる。それが良いか悪いかは別にして。

 一体モーセと何の関係があるんだという話だが、今から3000年以上前、当然SNSもパソコンもスマホもない時代に、5人の女性たちが当時の指導者であるモーセにある告発をしたことがあった。もちろんセクハラやパワハラではない。詳細は省くが、それは現行の土地の相続制度についての一つの指摘であった。その指摘をスルーしたり、握りつぶすことは今の時代よりはるかにたやすかったかもしれない。しかし、モーセはその問題について神に導きも求め、現行の制度にいくつか付け加える形で対処することとなった。スルーしたり、握りつぶすことは安易だが、モーセは安直な方法はとらなかった。

 さて、時代を現代に戻すと、今後もおそらく1億総告発時代は加速するだろうし、悪く言えば相互監視社会のようになっていく気がする。それで世の中が良くなっていけばよいのだろうが、旭川のいじめ事件などを見ているとそれが抑止力になっているのかなーと疑問に思ったりもする。最大の抑止力は、神が常に見ているという感覚、と書いちゃうと話が終わっちゃうし、それが簡単にできれば苦労はしないわけだが……