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新型コロナウイルスは空気感染する?!

 先日、国立感染症研究所のホームページに新型コロナウイルスの感染経路について新たな感染経路が追加された。それがエアロゾル感染である。ちなみにエアロゾル感染自体は海外では昨年頃から指摘されているが、まだ新しい言葉で明確な定義があるわけではない。中には空気感染(飛沫核感染)=エアロゾル感染としているホームページもあるくらいだ。

 定義を軽くおさらいしておくと、エアロゾル=空気中を浮遊する粒子でその大きさは、1nmから花粉のような100μmまで様々だ。ちなみに以前からされている飛沫感染の飛沫=5μm以上の粒子で、飛沫核=水分を含まない5μmより小さい粒子のことだ。水分を含んだ粒子は、重たいためすぐに落下してしまうので、空気中を漂う心配はないのだが、飛沫核は水分がない分軽く、空気中を漂うことになる。そして、この飛沫核による感染を飛沫核感染(空気感染)と呼び、結核や麻疹などはこれに該当する。単純な粒子の分類の大きさだけでいうとエアロゾル=飛沫+飛沫核といったところだろうか。ちなみに空気感染がどれだけ恐ろしいかというと、飛沫感染がせいぜい感染者から半径2メートル程度が感染リスクを負うのに対して、空気感染では、飛行機では同乗者全員が、電車では同じ車両の人全員が感染リスクを負うことになる。

当然、JWのように一つの建物に集まって話を聞く場合、出席者全員が感染リスクを負うというわけだ。

 では、ここからが本題で、この新型コロナウイルスは空気感染するのだろうか。現状でわかっていることは下記の通りだ。

 ・空気感染=エアロゾル感染ではない

 ・エアロゾル感染=飛沫感染と空気感染の中間のイメージ

 ・結核や麻疹ほどの感染力はないと思われる。(この辺りは、日本の都市部で出退勤の満員電車が相変わらず続いているのに感染者の爆発的増加が見られていないことは証拠になるかもしれない。)

 残念ながらこの新型コロナウイルスについては、ウイルスの発生源・ワクチン含め分からないことが多い。現状新たなウイルスに対する壮大な実験の途上にあると考えると、今後も後出しジャンケンで新発見が出てくるのだろう。